あの頃の卒業シーズン --- 夢と旅立ちの起点。

十年前、アンナは聖輝軍学校戦略指揮学院を卒業した。王国の後継者として、彼女は期待を一身に背負い、また、彼女自身も天賦の才に恵まれていた。剣術、格闘術、軍事素養、そのいずれにおいても、彼女は同輩をはるかに凌駕していた。血筋に流れる優秀な遺伝子のせいか、あるいは王位継承者という身分がもたらす便宜のせいか、彼女は学院のあらゆる考査において、ほとんど何の障害もなく、順風満帆に進んでいった。

戦略指揮学院は聖輝軍学校の中でも最も名声の高い学院の一つであり、王国最高の軍事的人材が集まる場所だった。ここでは、生徒たちは様々な軍事理論や戦略戦術を学ぶだけでなく、厳格な体力訓練や実戦演習も受ける。アンナは学院で水を得た魚のように活躍し、彼女の戦略に対する理解と運用は、しばしば教官たちを驚嘆させた。剣術と格闘術においては、さらに驚くべき才能を発揮し、力、スピード、技巧、そのいずれもが信じられないほどのレベルに達していた。

しかし、アンナはただ勉強と訓練だけができる機械ではなかった。彼女は人生を愛し、大胆な服装を好み、友人を作るのが好きで、先生や上官にとっては扱いにくい存在であり、皇室の礼儀作法など全く気にせず、五年間の間に噂では恋人が二桁に達したと言われ、学院では非常に人望があった。彼女は人に誠実で友好的に接し、いつも喜んで人を助け、生徒たちの尊敬と愛情を得ていた。もちろん、彼女の王位継承者としての身分を妬み、陰で噂を流す者もいたが、それらはアンナの学院における地位を揺るがすことはできなかった。

卒業式の日、アンナはぴしっとした軍服に身を包み、演壇に立ち、校長から直接卒業証書と勲章を受け取った。その時彼女の顔にあった笑顔は純粋で、その後に起こった全ての事柄と比べると、当時が間違いなく彼女にとって最も純粋で幸せな時代だった。彼女の顔には自信と喜びが溢れており、彼女は、自分を待っているのは、さらに広大な舞台と、さらに困難な挑戦であることを知っていた。彼女は自分の知恵と力で、王国を守り、人民を守り、ふさわしい統治者になるだろう。

十年後、アンナが再び聖輝軍学校に戻ってきた時、ここの全ては見慣れているようでいて、どこかよそよそしく感じられた。見慣れた建物は今も変わらず立っているが、かつての同級生や教官たちは、すでにそれぞれの道を歩んでいた。彼女は戦略指揮学院の門の前に立ち、かつて何度も出入りしたその扉を見つめ、感慨深げだった。彼女は、もはや自分が青臭い少女ではなく、数々の戦闘と試練を経験し、真の女王になったことを知っていた。そして聖輝軍学校は、いつまでも彼女の心の中で最も美しい思い出となるだろう。